「迎える空間、その想い」では、企業や施設が人を迎える空間に込めた想いを、Bamboo SALAがどのように装花として表現しているのか、代表・湯澤悦子の視点でご紹介します。
#1〜#4では、シンガポールで8年間の実績を積み、2026年に東京・表参道に日本第一号店を開業した「Atelier Kogao Tokyo」の空間装花を取り上げ、オーナー・大曽根貴子氏のお話も交えながら、その背景にある想いや、装花として形にしていく過程をお伝えします。
目次
#3 空間の印象はつくれる
Bamboo SALAでは「空間の印象は意図的につくれる」と考えています。
プライベートな空間であれば、その日に惹かれた花を買い、そこから生まれる偶然の表情を愉しむのもよいでしょう。
しかし、美容サロンは、ビジネスの場です。お客様には、常に一定以上の質を安定して届ける必要があり、それは、空間の印象についても同様と考えます。装花は、立体であり色彩を持つことから、視線を誘導することができるのです。また、緊張した来訪者にとっても、視線を向ける先が生まれ、初対面のときから、落ち着いて過ごすことができると考えます。
私が考える装花の役割は、施術だけでない役割を担うスタッフの、接客面を支えることです。
ドアを開けた瞬間に、スタッフの笑顔とともに、花で「歓迎」をお伝えする。その後は、奥に見えるウェルカムフラワーに誘われ廊下を進み、心地よいソファーと、花の置かれた空間に、2度目の歓迎を感じる。良く冷えたおしぼりと、ウェルカムティー。静かな音楽とほのかに漂う上質な香りが、沈黙さえも贅沢に感じさせる。装花を眺めながら、ゆったりとした会話を交わし、施術室へ向かう頃には、緊張はほどけ、安心して身を委ねるための信頼が、少しずつ育っている。
そんな滞在中の一連を想像しながら、サロン運営の一助となる装花を考えています。
経営者の想いを、来訪者に届く形へ
大曽根氏からは、Bamboo SALAについて「ブランドのパートナーとして空間全体を捉え、伴走してくださる姿勢に信頼を感じた」とのお言葉をいただきました。
Bamboo SALAは、経営全般のブランディングを行う会社ではありません。しかし、その場所にどのような方が訪れ、何を目的としているのか、来訪者を迎えるスタッフが何を大切にしているのか。それらを理解した上で、装花をデザインしたいと考えています。
その場所を提供する企業が積み重ねてきたものを、来訪者が抱く印象へと変換する。それが、Bamboo SALAの考える空間装花です。
空間全体を、一つの体験として考える
Bamboo SALAでは、接客のための空間全体をキャンバスと捉え、異なる大きさの装花を複数箇所に置き、来訪者に届ける印象を考えて、装花のデザインをしています。
扉を開けた瞬間に目に入る花。
奥へと進みたくなる導線を誘う花。
歓迎されていると伝わる花。
施術前のひとときに心を落ち着かせ、視線を向ける花。
一人になった洗面室で、心が動く花。
それぞれの花が異なる役割を持ちながら、一連を通して世界観をつくる。印象は「意図してつくる」ことができ、また、その場所が、お客様を接客する場所である以上、安定した印象を提供することが大切だと、私は考えています。
#4へ続く
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お話を伺った方

大曽根 貴子 氏
Atelier Kogao 代表。Honest Capital合同会社 代表社員。シンガポール勅許会計士、日英バイリンガル税理士。KPMG、有限責任監査法人トーマツでの勤務後、2012年にシンガポ―ルに移住し、日系企業のシンガポール進出をサポートするブティック会計事務所Advance Business Support Pte Ltdを設立、2016年にライフスタイルビジネスを運営するThe Conscious Lifestyle Pte Ltdを設立し、アパレル、美容室、エステサロン等をシンガポール国内で展開している。
Atelier Kogao Tokyo 【アトリエ小顔】
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-2-19 メゼリテ表参道305
https://www.atelierkogao.co.jp/

この記事を書いた人

Etsuko Yuzawa
株式会社バンブーサラ代表/フラワーデザイナー。一級フラワー装飾技能士(国家資格)。「静と動の余白を愉しむラグジュアリー」をコンセプトに、企業や施設の空間装花を手がける。
