「迎える空間、その想い」では、企業や施設が人を迎える空間に込めた想いを、Bamboo SALAがどのように装花として表現しているのか、代表・湯澤悦子の視点でご紹介します。
#1~#4では、東京・表参道に日本第一号店を開業した「Atelier Kogao Tokyo」での空間装花を例に、お話します。
目次
#1 想いを可視化する空間装花
シンガポールから表参道へ
Atelier Kogaoは、シンガポールで8年間にわたり実績を重ね、累計2万人以上への施術を行ってきた小顔・肌管理サロンです。現地で数々の美容アワードを受賞し、2026年7月、日本第一号店となるAtelier Kogao Tokyoを表参道に開業しました。
代表を務める大曽根氏は、シンガポール勅許会計士として日本企業のシンガポール進出を支援する一方、自らも、アパレル、美容室、エステサロンなど、美と暮らしに関わる事業を、シンガポールで展開しています。
Atelier Kogao Tokyoが大切にしているのは、日本らしい丁寧な技術とホスピタリティ。小顔ケアと肌管理を一つの場所で提供し、施術や手技を含む「J-Beauty」を世界へ発信することを目指しています。
想いを、花で可視化したい
大曽根氏は、お店を利用されるお客様の層やサロンの理念について、明確なコンセプトをお持ちでした。
大曽根氏が届けたいと考えているのは、会社や家庭で、日々誰かのために責任を抱え、一生懸命に過ごしている女性たち。そのような方々に「自分自身を慈しむ時間」を提供したいというものでした。
「お客様の五感に良い刺激を与える場所を創造したいと思いました。そのなかで花や植物は、日本人にとって季節を感じるものであり、感性を刺激するものなので、外せないものでした」
施術を受ける時間だけでなく、扉を開け、空間に身を置いた瞬間から、少しずつ心がほどけていく。
その体験の一部を花が担うために、ドアを開けた瞬間から、待合室、施術室へと向かう来訪者の導線と視線を想像しながら、まずは花の配置を考えます。さらに天井まで広がる縦の空間も意識し、視線の高さに変化をつけます。
「Bamboo SALA様は、最初のヒアリングの段階から、「自分を慈しむ時間」という私たちの想いだけでなく、サロン内の人や光の動きにも丁寧に目を向けてくださり、その上でどんな色合いや質感、配置がお客様の五感に心地よく響くかを一緒に考えてくださいました。単なる装飾の提案ではなく、空間全体をブランドのパートナーとして捉えて伴走してくださる姿勢に信頼を感じ、お願いすることに決めました 」と大曽根氏は語ります。
私は「自分を慈しむ時間」という言葉を自分なりに深く掘り下げ、考えました。それを基に、具体的なフラワーデザインに落とし込む際の条件へ置き換えていきました。
節度ある距離感が生む安心感
これから始まる時間への期待。
沈黙さえも贅沢に感じられるような余裕。
再び訪れたときにも、小さな発見がある高揚感。
そして、そこで働くスタッフの誇り。
それらが凝縮したときに、Atelier Kogaoならではの「自分を慈しむ時間」が成立するのではないか。そう考えながら、アーティフィシャルフラワーの花材と花器の選定を始めました。
これが、Bamboo SALAによるAtelier Kogao Tokyoのための空間装花の始まりでした。
#2へ続く。

大曽根 貴子 氏
Atelier Kogao 代表。Honest Capital合同会社 代表社員。シンガポール勅許会計士、日英バイリンガル税理士。KPMG、有限責任監査法人トーマツでの勤務後、2012年にシンガポ―ルに移住し、日系企業のシンガポール進出をサポートするブティック会計事務所Advance Business Support Pte Ltdを設立、2016年にライフスタイルビジネスを運営するThe Conscious Lifestyle Pte Ltdを設立し、アパレル、美容室、エステサロン等をシンガポール国内で展開している。
Atelier Kogao Tokyo 【アトリエ小顔】
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-2-19 メゼリテ表参道305
https://www.atelierkogao.co.jp/

この記事を書いた人

Etsuko Yuzawa
株式会社バンブーサラ代表/フラワーデザイナー。一級フラワー装飾技能士(国家資格)。「静と動の余白を愉しむラグジュアリー」をコンセプトに、企業や施設の空間装花を手がける。
